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評価額の差

アパートやマンションのトラブルとして挙げられるのが、評価額をめぐる問題です。評価額とは、不動産の価値を知るための目安となる金額を指します。相続に関しては、相続税の評価額か時価を使用する場合が多く、相続人は自由に選ぶことが可能です。ただし、選択する評価額によって金額が大きく変わることがあるため注意が必要となります。

例えばAとBの兄弟が相続の手続きを行う際に、Aが相続するマンションの時価が8,000万円、相続税の評価額が4,000万円だった場合を考えてみましょう。相続税の評価額を選んだ場合、Aは評価額が低くなった分だけ他の財産を多くもらえる可能性が高まります。そのため、Aは「評価額が低いほうを選びたい」と考える一方で、マンションを相続しないBは「評価額が高い時価のほうを選ぶのが妥当だ」と考え、対立が生まれかねないのです。

どの評価額を選ぶのかによって損をする方や得をする方が出てくるため、評価額を決める際には細心の注意が必要です。選んだ評価額に大きな偏りが出ると、トラブルが起きやすくなります。

共有相続を選択した

複数の相続人がマンションやアパートを共有相続した場合、不動産の処分・管理に関しては全ての共有者の合意が必要になります。例えば兄弟AとBがアパートを共有相続した場合、Aが「アパートの経営を辞めて売却するべきだ」と主張する一方で、Bが「両親の遺志を引き継いで経営を続けるべきだ」と主張すると意見の対立が起き、トラブルへと発展していきます。

賃貸住宅の経営には複雑なノウハウや利害関係が生まれることもあるので対立が起きやすく、共有者同士で意見が分かれることも珍しくありません。

また、不動産の共有者が亡くなった後は、相続人が新たな共有者となります。時間を経るごとに共有関係が複雑化し、さらに不動産の処分を決めるのが難しくなる可能性が高くなりかねません。共有相続をする際には、こうしたリスクをきちんと考慮することが大切です。

借金やローンの相続に関する揉め事

相続では、利益となる財産だけでなく、借金やローンなど負の財産も引き継ぐことになります。アパートやマンションにローンが残っている場合は「誰が引き継ぐのか」「本当に引き継ぐべきなのか」といったことで相続人間の意見が対立し、揉め事になる場合も珍しくありません。

こうした場合は「債務の全てもしくは一部を引き継ぐ」か「相続放棄を選ぶ」といった方法で対処を行います。負債があることを知らず、全く対処していないと借金やローンをそのまま引き継ぐことになるため注意が必要です。相続人間でしっかり話し合い、負債に対する対処方法をまとめておくことでトラブルを回避できる可能性があります。